会長挨拶

 本協議会は、電波有効利用の促進の中で、ワイヤレス電力伝送(WPT)システムの利用機会の拡大につながるよう、他の無線システムとの運用調整の効率化、効果的な実現および円滑な遂行に向けて、総合的にこれを支援することをミッションとし、周波数の有効利用に資することを重要な目的としています。

 今般のWPTシステムの実現は次の三つの点できわめて意義深いものだと思っています。

 一つ目に、WPTシステムはSDGsあるいは日本ではソサエティ5.0の進展に、大きく寄与するという点です。サイバーとフィジカルの間をつなぐセンサーのデータの収集、カバレージの拡大を実現するための電力供給の切り札として求められている技術が、このワイヤレス電力伝送の技術です。この利用拡大を進めて参りたいと考えています。

 二つ目は、日本がWPT技術で世界に先駆けているという状況にあり、市場化も含め、法制度などの環境を整えて世界に導入モデルを示して行けるという点です。WPT産業のグローバル化や海外進出を促進することも本協議会のミッションのひとつと考えます。

 三つ目は、電波有効利用の観点で、電波科学の歴史においてもその中心であった通信やセンシングといった電波利用に新たに電力伝送という用途を加えるという点です。本協議会設置の趣旨でもありますが、協議会を通じて、既存のシステムとの円滑で効率の良い周波数共用の仕組みを構築し、WPTシステムを促進する体制が初めて整備される点です。日本が周波数を普遍的な共有資源として扱い、WPTシステムも既存の無線システムと同じ土俵で周波数共用を論じ、これを調整する方向性をとっているということは、電波環境の維持の観点でも非常に大きな選択であると思います。この周波数共用の円滑な実現を図るため、本協議会が透明性と公平性を重んじ、何より熱意をもって対処していく所存です。

 本協議会としては、新設のWPTシステムと既存のシステムの情報を収集しつつ、今後さらに関係者を結集し、その専門的な知見を生かした緊密な連携を図ることにより、運用調整の総合的支援を通じたWPTシステムの導入や利活用の拡大、市場展開に、有効に関与することができる重要機関として成長して行きたいと考えています。

本協議会の諸活動を推進するよう、微力ですが全力を尽くしますので、ご支援ご協力をお願いいたします。

ワイヤレス電力伝送運用調整協議会
会長 安藤 真

目的

 空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム(WPTシステム)の運用調整に関して、実効性を伴いつつ、混信防止の確保を効率的かつ効果的に実現していくことが不可欠である。その際、WPTシステムの設置申請者又は設置・運用者が、既存無線システムの免許人に対して、必要な情報提供を行う等、運用調整に向けて、主体的に対応を行うことを基本とし、免許人双方が理解と工夫の視点を持ち、調整が結実するよう尽力していくことが期待される。同時に、電波の適切な利用環境を維持しつつ、新たな電波利用領域となるWPTシステムの利用機会の拡大につながるよう運用調整を実施することが重要である。
 このような運用調整の円滑な遂行に向けて総合的に支援することにより周波数の有効利用に資することを目的として、「ワイヤレス電力伝送運用調整協議会」を設置する。

組織概要

名称ワイヤレス電力伝送運用調整協議会(JWPT)
Japan Coordinating Council for Wireless Power Transfer
設立2022年1月
設置規約設置規約.pdf
会員一覧 正会員および特別会員.pdf
会長 東京工業大学名誉教授  安藤 真
事務局 ワイヤレス電力伝送運用調整協議会(JWPT)事務局
 〒239-0847 神奈川県横須賀市光の丘3-4(一社)YRP研究開発推進協会内
 E-mail: jimukyoku-at sign-jwpt.jp (-at sign- は@に置き換えてください)

設立の考え方

協議会の概要図